Punky Yukata Girl


和装モダンは私がもっとも興味をそそられるテーマの一つである。結上げられた髪の一部が拘束を逃れて垂れ下がり、着物の直線美と好対照を見せている、そんな情景。
私は別にお国自慢をしたいのでは無いし、ここで和風の美ばかりを持ち上げようと言う意図も無い。外国の伝統衣装の中にも目を見張るように魅力的なものもあるし、実際それらを題材にして絵を描いたこともある。ここで言いたいのは数ある民族衣装の中で和装の持つ複雑な『道』の気質だ。礼に始まり礼に終わる『道』の考え方は四季とともに歩んできた日本と言う国の一期一会の精神と深い繋がりがあるように思われる。四季の訪れと別れを繰り返すこの国では今ここに居る奇跡を一際得難い瞬間と考える。衣装に季節をあしらった図柄を取り入れるのもその一例だし、見た目の過度な装飾を避け、何処か一線を引いた奥ゆかしさを求めるのもさり気なく季節を見送るそんな気質の現れだろう。美しさと愛らしさの同居、見えない場所にも気を配る繊細さが私の興味を擽る最大の理由であり、和装の持つ稀有な魅力を描きたいと思わせる起爆剤でもあるのだ。
『Punky Yukata Girl』と名付けたこの鉛筆画では現代と前近代の日本が交錯する和風モダニズムに挑戦した。温かさと冷たさ、丸みと尖り、幼さと色気。。。
伏せ目がちの視線の先に見るものへの感情など。
高慢で手厳しそうな外見や性格の内側にある容易に理解し難い苦しみや脆さとか。。。
反発を覚えてもさよならを言えず。
悩ましい被写体だがさよならを言うことが出来ない。
実際にそんな魅力的な想像上の被写体と言葉のやり取りをしたことがある。その人は知性溢れる行動派で、自分の容姿の良さを公言してはばからない傍若無人な一面を持つが、内に秘めたコンプレックスも垣間見せる弱さとのギャップが上げた拳をポケットに仕舞わせる罪作りな人でもある。
思えば特に最近の私の絵には知らず知らずのうちにその人の幻影が取り憑いているような感覚に襲われることが多い。その人を描くことは自分の絵の中に画面の奥底に潜む魔物を描き出すことと同じなのかも知れない。

A Song For Japan

日々の創作日記とお気に入りの音楽など。日常と非日常を行き来する奇妙な世界をお楽しみ下さい。

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