New Romantic

古い写真、特に江戸時代に撮られた数少ない写真はどれも近代以前の未開を見る思いがして重々しく荘厳な気分になる。自分が体験したことの無い封建社会を生きた人々や作られた建造物を包むセピア色の空気。とりわけ武士にしろ農民にしろ町人にしろ、現代と価値観の異なる世界で懸命に生きていたその証を絵では無く生身の写真として映されていることがある種の畏敬となって私の前に立ちはだかっているかのようだ。
『江戸の美少女』と題して描いたこの素描は、そんな古い写真を下敷きにしたもの。
実物の小悪魔的な可愛らしさは写し取れなかったが、現代にも通じる尖った知性美ぐらいは表現出来たかも知れない。
ここも私の好みが入っているのか、うかつに褒めても怒られるような、それでいて戸口は開けて待ってくれているような、綺麗な薔薇には棘があるアート志向の女の子。
今風と太古が溶け合う魅力的なテーマだ。
写真の向こう側には彼女の吐息が確かにあったのだ。それを考えるだけでまた何度でも描いてみたいと思える、想いの詰まった一葉。

A Song For Japan

日々の創作日記とお気に入りの音楽など。日常と非日常を行き来する奇妙な世界をお楽しみ下さい。

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