Prototype

子供の頃に楽しんだ塗り絵を思い出した。塗り絵は色付けしなければ作品として成り立たないのだが、白地に黒い線で取られた輪郭は着色したお馴染みの被写体とは異なって空虚でありながら様々なイメージを想起させる。白い画面に線描と言うのはそれがたとえラフなスケッチであったとしてもそれだけで見る者に訴える完成度を感じてしまう。
むしろきっちり仕上げられた線描より、少し崩れたぐらいの素描の方が私は好きだ。
しかもそれが完成された作品のためのものであったとしても、結局実を結ぶこと無く、実験・試作で終わったにしても、作者が何を考え、何を体現しようとしていたのかを想像するだけでも夢がある。
自分の描いたものですら、遠い過去に走り描きした落書きを見つけるのは味わい深いものだ。
それにプロトタイプの生命力と言うのは完結させた絵より遥かに躍動感があって、芸術らしい雰囲気がある。
作品の中にはここで止めといた方がいいのでは?と本気で考えることもある。

A Song For Japan

日々の創作日記とお気に入りの音楽など。日常と非日常を行き来する奇妙な世界をお楽しみ下さい。

0コメント

  • 1000 / 1000